おとのほそみち

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【JAZZ新譜】シカゴの精鋭が描く最先端のジャズ The Chicago Experiment / Greg Spero (2022)

ザ・シカゴ・エクスペリメント / グレッグ・スピーロ

 

ジャズ、ヒップホップ、ゴスペル、エレクトロニックミュージックなど、さまざまなジャンルのレコーディングで知られるアメリカのレーベル、Ropeadope Records。

これまで「Philadelphia Experiment」(2001)、「Detroit Experiment」(2003)、「Harlem Experiment(2007)」という、Experimentシリーズをリリースしてきた。

なんと15年を経て、ほとんど忘れていたころに、シリーズの新作「The Chicago Experiment」が届いた。

この作品の中心となったのが、シカゴの辣腕ピアニストであるグレッグ・スピーロ。

実際のところは、彼の作品というより、シカゴのジャズシーンの第一線で活躍する精鋭が集まったユニットと捉えた方がいい。

なかでもキーパースンは、シカゴのというか、現代ジャズの重要人物であるドラマーのマカヤ・マクレイヴンだと思える。

最先端のビートメイクをジャズと融合させるその腕は、当代随一。

そのスリリングで躍動感あふれるリズムの上を、トランペットのマーキス・ヒル、ギターのジェフ・パーカーら、尖ったソリストたちが自由に駆け回る、という印象。

音の分離、粒立ちもよく、ミキシングも冴えている。

次はロスか、ニューオリンズか、今度は15年を置かず届けて欲しい。

 



Greg Spero (piano)
Makaya McCraven (drums)
Marquis Hill (trumpet)
Joel Ross (vibraphone)
Jeff Parker (guitar)
Darryl Jones (bass)
Irvin Pierce (tenor sax)

 

<了>

 

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