おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎サンデーソングブック2023年9月10日『棚からひとつかみ』

オンエアされた曲を、番組中の曲解説の一部とともに紹介しています。ネットに音源がある楽曲にはリンクを張っていますが、オンエアされた音源とはヴァージョンが異なる場合が多々あります。

1. RIDE ON TIME (SINGLE VERSION) / 山下達郎 
2. SEPTEMBER RAIN / FRANKIE VALLI 
3. MAKE ME SAY IT AGAIN, GIRL / THE ISLEY BROTHERS 
4. SEE THROUGH ME / BETTYE LAVETTE
5. BESIDE YOU / SMOKEY ROBINSON
6. (IF LOVING YOU IS WRONG) I DON'T WANT TO BE RIGHT (DEMO) / HOMER BANKS
7. RESPECT YOURSELF (DEMO) / MAC RICE 
8. FUNKY FLUSHIN' (1982 VERSION) / 山下達郎 


私のRCA/AIR YEARS 76年から82年までの全8枚のアルバムを、アナログとカセットでお届けしてきた。
先週の9月6日、最後の2枚、ライブアルバム『IT'S A POPPIN'TIME 』そして『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』
これでめでたく完結。
「あまく危険な香り」それから「ライド・オン・タイム」のシングルバージョンはこの『GREATEST HITS!』にしか入っていない。
RIDE ON TIME (SINGLE VERSION) / 山下達郎 


9月にちなんだ曲ということで、フランキー・ヴァリの1968年のセカンド・アルバム『TIMELESS』に入ってる「SEPTEMBER RAIN」。
シングル・ヴァージョンよりもアルバム・ヴァージョンの方がいいという珍しいパターン。ボブ・ゴーディオとイタリアのバイオリニストのピエルジョルジオ・ファリーナが作曲した作品。
SEPTEMBER RAIN / FRANKIE VALLI 


ベテラン勢が続々と新譜を出していて、ロナルドとアーニー2人になったアイズリー・ブラザースの新譜が出た。
75年のアルバム「The Heat Is on」に入っている人気の高い曲「Make Me Say It Again, Girl」
これをセルフカバーというか、リテイクして、なんとビヨンセを連れてきてやっている。
アイズリーブラザースのニュー・アルバムのタイトルソング「Make Me Say It Again, Girl」
しかしこのロナルド・アイズレー、懲役刑くらおうが何しようが、ものともせず不滅。素晴らしい。
MAKE ME SAY IT AGAIN, GIRL / THE ISLEY BROTHERS 


ベティ・ラベットはミシガン出身、1946年生まれで77歳。もうキャリアが60年になる。
新譜を出しているが、日本ではほとんどリリースされていない。
ニュー・アルバム『LAVETTE!』1曲目の「SEE THROUGH ME」。
曲はランドール・ブランブレットが全面的に手がけていて、プロデュースはスティーヴ・ジョーダン。
ニューヨーク・レコーディングだが随分アーシーな音になっている。
SEE THROUGH ME / BETTYE LAVETTE


スモーキー・ロビンソンの新しいアルバム『GASMS』から「BESIDE YOU」。
8月20日にオンエアした、ボルチモア出身のヴォーカル・グループ、スワローズの1952年R&Bチャート6位の「BESIDE YOU」のカヴァー。
BESIDE YOU / SMOKEY ROBINSON


CDの時代じゃなくなっているが、それでもCDのボックスとか、そういうものが引きも切らなくて、でもいい加減出尽くしてるので寝技と言うか。
典型なのが「デモ」を集めたという。
昨年出たヤツが、スタックスのソングライターの「デモ」を集めたCD7枚組の『WRITTEN IN THEIR SOUL』
そんなもん出していいのかっていう。
これがなかなか面白い。
ルーサーイングラムの1972年のヒット「(If Loving You Is Wrong) I Don’t Want To Be Right」
これを作っているのが、ホーマー・バンクス。メンフィス生まれのソングライターでたくさんヒット曲がある。
これをホーマー・バンクス自身が歌っているデモ。
これ聴くと、やっぱりルーサー・イングラムの解釈がいかに素晴らしいかというのがわかる。
(IF LOVING YOU IS WRONG) I DON'T WANT TO BE RIGHT (DEMO) / HOMER BANKS


『WRITTEN IN THEIR SOUL』からもう1曲。
ステイプル・シンガーズの1971年の大ヒット「RESPECT YOURSELF」。
作ったのはルーサー・イングラムとマック・ライス。
そのマック・ライスの弾き語りで「RESPECT YOURSELF」。
ホーマー・バンクスもマック・ライスもルーサー・イングラムも全員亡くなっているので、こういうデモ集を出していいのかなと思うが、聴くほうにとってはおもしろい。
RESPECT YOURSELF (DEMO) / MAC RICE 


今日の最後は、RCA時代の『GREATEST HITS!』に入ってる「FUNKY FLUSHIN'」
これはアルバム『MOONGLOW』のヴァージョンとは違って、ちょっとオーディオ的に不満が多かったのでリテイクした。
というわけで「FUNKY FLUSHIN'」1982年バージョン
FUNKY FLUSHIN' (1982 VERSION) / 山下達郎