おとのほそみち

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細野晴臣はなぜピックをやめて指弾きにしたのか?

interfmで細野氏がナビゲーターを担当している番組「Daisy Holiday」

2024年10月13日&20日放送回のゲストに山下達郎氏が登場。そのトークの一部を書き起こした。

 

山下:細野さんのベースのスタイルは、はっぴいえんど時代からできあがっているじゃないですか。

細野:その前のバーンズ(注1)で、ピックをやめて指にした。

山下:なんでピックやめて指にしたんですか?

細野:すごい好きだったモビー・グレイプ(注2)のジャケット写真に、ベースをすごい下までぶら下げて、指で弾いているヤツがいたから(笑)ボブ・モズレーだったかな。あれかあ、知らなかったなあと(笑)。それで指で練習し始めた。

山下:格好から入りますもんね。

細野:そうなんだよ。そのころは映像の資料なんてないから。動いている姿も見たことないしね。

山下:僕らは、細野さんが指で弾いているのを見て、みんなピックから指になったんですよ。

細野:伝染していったんだ。

山下:そうです。「お前はまだピックで弾いてんのかあ」みたいな。

細野:ああそう(笑)それは面白い。

山下:影響力すごいんですよ。

細野:いや僕はただの媒介だから。

山下:(笑)いやいや。

細野:ボブ・モズレーとかね。その後、リズム&ブルースを聴き始めたら、みんな指だからね。到達地点はチャック・レイニー。

山下:なるほどね。

細野:そこから僕、人差し指と中指をやめて、親指と人差し指にしたんだ。ツーフィンガーで。そうしないと16ビートが弾けないから。

山下:(笑)面白いなあ。

細野:不器用なのよ。もともと。

山下:はじめて聴いた。確かに細野さんはあぐらかいてコレだもの(おそらく弾くポーズ)

細野:はじめて言った。あぐらかいてベース弾いていたらポンタ(注3)に怒られた(笑)

山下:あれは松木さん(注4)が怒ったんです。「ポンタ、言って来い」って(笑)

細野:ああそうなのか。怖いなあ..

山下:あの僕のアルバム(注5)のとき、あのメンツが初めてだったんですってね。知らなかったんですよ。スタジオミュージシャンってみんな一緒にやってると思ってて。ベストメンバーを選ぼうと思って、ポンタ、細野さん、松木さん、佐藤博で。それが初めてだって(笑)

細野:ぜんぜん初めてだよ(笑)緊張感すごかったよ。

山下:おかげでいいテイクが録れました。



1)松本隆氏中心に結成され、松本氏の誘いで細野氏が参加していたバンド。

2)1960年代後半に活動したアメリカのサイケデリック・ロック・バンド。

3)ドラマーの村上秀一氏。2021年没。

4)ギタリストの松木恒秀氏。2017年没。

5)1977年にリリースされた達郎氏のセカンドアルバム『SPACY』

 

 

※写真はinterfmウェブサイトより