DVDを整理していたら「カリブの熱い夜」が出てきたので、久しぶりに見た。
テイラー・ハックフォード監督が、ヒット作「愛と青春の旅だち」の次に撮った作品で、1984年のアメリカ映画。
主な出演は、ジェフ・ブリッジス、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ。
元はフットボールの花形選手だった男が、肩の故障のために失業。
カネのためにある女を追跡する仕事を、ナイトクラブのオーナーから引き受ける。
ターゲットは上流社会から逃避した社交界の花。
カリブ海で出会った2人は本来の立場を忘れ恋仲になる。
しかし女はオーナーが送り込んだ男を撃ち殺し、黙って姿を消してしまう。
彼女が向かった先は.....というお話。
前半は話があまり動かずややダレるが、後半の展開はなかなかおもしろい。
決して傑作というわけではないが、サスペンスとロマンスがほどよく散りばめられていて、適度にワクワクできる軽量級娯楽映画の見本のような仕上がりだ。
で、音楽がいい。
ぶっちゃけ、映画より主題歌の「見つめて欲しい」の方が有名だろう。
全米シングルチャート1位。世界的な大ヒットになり、日本でも当時ラジオでかかりまくっていたことを思い出す。
歌うイニエスタ。
ではない。フィル・コリンズである。
知らない人のために書いておくと、この人はもともとは技巧派のドラマーである。
それがこれだけの詞と曲が書けて歌える。たいした才能だ。
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この映画は、フィル・コリンズ以外の楽曲もよくて、ラリー・カールトン、スティービー・ニックス、ピーター・ガブリエルと、なかなか豪華な顔ぶれ。
そこにキッド・クレオール&ザ・ココナッツも名を連ねている。
キッド・クレオールことオーガスト・ダーネルと3人の女性によるユニットで、80年代を中心に活躍した。
このファッションというか佇まいが、カールスモーキー石井と米米CLUBに多大な影響を与えたのは、当時のポップスファンにはよく知られた話だ。
キッド・クレオール&ザ・ココナッツというのは不思議な存在で、キャラ立ちしているせいか知名度は高いのだが、ヒット曲は全然ないのだ。
10枚以上のアルバムを出しているが、100位以内に入ったものすらない。
シングルも100位以内に入ったのが1枚だけ、という実績なのだ。
そのなかで最も知られているのが、「カリブの熱い夜」に収められた「マイ・メイル・キュリオシティ」だろう。
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これ、誰か日本人がカバーしてなかったっけ、とウロ覚えのまま調べたら、西城秀樹さんだった。
ライブアルバム『JUST RUN '84 HIDEKI』に収められている。
まったく、秀樹さんの洋楽の間口の広さには、驚かされる。
キッド・クレオールの作品の中では有名ではあるが、アメリカでも日本でもぜんぜんヒットはしていない。
よく取り上げたものだと思う。
しかし、こういうラテン系の曲は、秀樹さんによく合っているなあ。オリジナルより歌うまいし。
ちなみにこの曲に続くのは「ドント・ストップ・ザット・クレイジー・リズム」ですよ、モダン・ロマンスの。
いったいどれだけの人が覚えているだろう、モダン・ロマンス。
いまこの名前を書くと、どこか恥ずかしいな、モダン・ロマンス。
調べてみたら全英4位なので、ヒット作ではあるけれど、日本で流行ってたかなあ。
機会があれば、また調べて書いてみたい。
<了>