おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



西城秀樹さんがカバーしたキング・クリムゾン「エピタフ」

 

『クリムゾン・キングの宮殿』(In The Court Of The Crimson King)は、1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバム。

おそらくは50年後、100年後も語り継がれているであろう、ロック史上に燦然と輝く名作である。

クリムゾン・キングの宮殿

クリムゾン・キングの宮殿

  • アーティスト:キング・クリムゾン
  • 出版社/メーカー: WOWOWエンタテインメント
  • 発売日: 2018/05/23
  • メディア: CD

 

基本はロックでありながら、クラシックやジャズの要素を巧みに取り入れたそのサウンドは、時に抒情的で、時にスリリング。非常に深淵で奥深い。

ピート・シンフィールドによる哲学的で文学性の高い歌詞も、非日常的な世界観を示しつつ、聞き手を覚醒させてくれる。

その代表的なフレーズが「Epitaph(エピタフ)」の、
Confusion will be my epitaph. 「“混乱”こそ我が墓碑銘」 
これは一つの曲の歌詞という枠を超えて、1969年という時代の転換点を示す名フレーズとして語り継がれている。

この曲は9分近くもあり、シングルカットはされていないのだが、その極めて叙情的なメロディもあって非常に人気が高く、初期のキング・クリムゾンの代表曲とされる。

 

 


これを西城秀樹さんがカバーしていることは、秀樹ファンにはいまさら言うまでもないだろう。

2018年08月16日にNHK-FMで放送された「今日は一日“ありがとう!ヒデキ”三昧」の番組中に行われた人気投票でなんと、第4位にランクインした。

「ブルースカイブルー」「若き獅子たち」「傷だらけのローラ」という代表曲に続いたのが、この「エピタフ」だったのだ。
いかにファンから支持されているのか、よくわかる。


収録されているのは『BIG GAME '79 HIDEKI』

HIDEKIFOREVER.COM / BIG GAME ’79 HIDEKI

 

コンサート当日、会場の後楽園球場が雷雨に襲われたこともあって、今でも伝説的に語り継がれているが、「エピタフ」の間奏で鳴り響く雷鳴は、もはや奇跡。

この瞬間に音楽の神が降りたとしか思えない。

その雷雨に立ち向かうかのような秀樹さんの熱唱に、ただただ胸を熱くするばかりだ。

バックの演奏も非常にレベルが高く、特に静かにうねりながらボトムを支えるベース、エンディング近くで泣き叫ぶかのようなギターは素晴らしい。


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次の動画は編集されたものだが、とても良くできている。

秀樹さんの動画を数々アップしてるKaran Blueさんの映像をJasmine* HSさんが編集したものだ。(編集といっても映像は実際の大阪球場でのライブとのこと)

 
クリムゾンは今年、結成50年ということで、様々な企画を実施。
その一つとして、50週間にわたり、毎週1曲の割合でバンドの新曲やレアな楽曲、別ヴァージョンの楽曲をリリースした。

その30曲目が「エピタフ」で、なんとグレッグ・レイクのアカペラというレア音源だった。

オリジナルに敬意を表して、これも紹介しておこう。(歌は2分43秒あたりから)



グレッグ・レイクも2016年に天へと旅立っている。

 

<この項おわり>