おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



山下達郎氏がB.J.トーマスの最高傑作だと推すアルバム『Billy Joe Thomas』(1972)

 

Billy Joe Thomas

Billy Joe Thomas

  • Gusto Records
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B.J.トーマスは日本ではバート・バカラック作の名曲「雨にぬれても」のイメージが強い。

この曲は全米で1位になった大ヒットだが、その他にも彼には「I Just Can't Help Believing」「Hooked on a Feeling」「I'm So Lonesome I Could Cry」などのベスト10ヒットがある。

一方で、アルバムアーティストという印象は薄く、実際、全米トップ10に入ったアルバムは1枚もない。

2022年9月25日放送のサンデー・ソングブックで、「達郎さんが好きなB.J.トーマスの曲」というリクエストに応えて達郎氏が選曲したのが「SWEET CHERRY WINE」

そして、この曲が収められているアルバム『Billy Joe Thomas』をB.J.トーマスの最高傑作だと紹介した。

そのコメントを要約すると


B.J.トーマスの1972年のアルバム『BILLY JOE THOMAS』はソングライター特集。
キャロル・キング、バリー・マン、ジミー・ウェッブ、スティーヴィー・ワンダー、そうしたソングライターの曲を取り上げていて、B.J.トーマスの最高傑作アルバムとして知られている。
その中に地味だがバリー・マンの曲が何曲か入っていて、この中の「SWEET CHERRY WINE」は私が死ぬほど好きな曲。この当時、B.J.トーマスを聴くならバリー・マンの曲がベストだという時代。
このアルバム、本当に素晴らしいので、今でも出てるかなわからないけれど、ぜひオススメ。
ここでドラムを叩いてるアラン・シュワルツバーグは本当に素晴らしい人なので、私、『CIRCUS TOWN』で彼を指名した。

 

たしかに素晴らしい作品なのだが、チャートでの順位は145位。

ほとんど評価されなかった。

著名なソングライターの作品を採り上げているだけでなく、ソングライター本人がコーラスやピアノなどでゲスト参加するという趣向で、これがなんでヒットしなかったのか、むしろ謎である。

現在CDは入手が困難だが、幸いサブスクで聞くことができる。