スウィング・ステート / ベン・シドラン
ベン・シドラン、初のピアノトリオ作品
ベン・シドランというと、若い頃はボズ・スキャッグスやスティーブ・ミラー・バンドとの活動で知られ、ソロアルバムもわりとポップだった。
なので特に日本では、ちょっとジャジーな感じのシンガー・ソングライターという印象が強い。
他方、彼はジャズの人でもあり、その知識の深さから「Dr. JAZZ」と称され、自らジャズレーベルを立ち上げ、指揮していたこともある。
そんな彼が、80歳を前にしてリリースした本作は、彼にとって初のピアノトリオ作品。
曲は1930年代のものが中心で、これらは彼が少年時代にピアノを習い始めたころ弾いた作品だそうだ。
いわば原点を振り返る内容で、キャリアの中で一度はこれをやりたかったのかなと思う。
ベースは半世紀の付き合いがあるビリー・ピーターソン。
ドラムは息子のレオ・シドラン。
気心のしれたメンバーとともに、軽妙洒脱で味わい深い演奏を聴かせている。
特段のサプライズはないが、古き良きトリオってこんなんだよなあ、と実感させてくれる内容だ。
このアルバム、アメリカでの初動はいまひとつだったが、じわじわと人気が出てJAZZ WEEKでは最高6位まで上がった(2022年7月)。
なのに、日本でのインフォはないに等しく、Amazonでも見当たらず、ちょっと寂しい。
Billy Peterson on bass
Leo Sidran on drums
1.Lullaby of the Leaves 05:19
2.Swing State 06:10
3.Laura 05:35
4.Ain't Misbehavin 04:53
5.Stompin' at the Savoy 04:49
6.Somewhere Over The Rainbow 04:00
7.Tuxedo Junction 05:09
8.Laura - Alt Take 05:57
<了>
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