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【JAZZ新譜】現代最高のジャズヴォーカリストがヒップホップ勢を迎えた快作 SuperBlue / Kurt Elling (2021)

スーパーブルー / カート・エリング

Superblue

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カート・エリングは、かつてブルーノートからリリースされた6枚のアルバムすべてがグラミー賞にノミネートされるなど、名実ともに現代最高のジャズヴォーカリスト。

男性ジャズヴォーカルというと、深く温かみのある声で朗々と歌い上げるというイメージが強く、そうしたフランク・シナトラやトニー・ベネットから続く王道を、カート・エリングも受け継いでいる。

加えてさらに、超絶的なスキャットの技術と、イマジネーション豊かな即興によって、最先端の「声によるジャズ」を示してくれるのが、カート・エリングの魅力。

特に今回は、メンバーにクセモノ感の強い腕利きを集めた。

ジャズ・ヒップホップの最先端を走るユニット、Butcher Brown(ブッチャー・ブラウン)から、キーボードのDJハリソンことデヴォーン・ハリス、ドラムのコーリー・フォンヴィルが参加。

さらに8弦ギターで、ベースラインとコードとソロを同時に弾くという神業変態ギタリスト、チャーリー・ハンターも加わった。

サウンドはジャズというより、ファンク、ヒップホップで、酩酊感のあるイマドキのビートがわんさか。

ここにチャーリー・ハンターの予測不能なフレーズが重なり、それに挑むようにカート・エリングがスキャットを放ちまくる。

なかなか尖った作品ではあるのだが、カート・エリングの、良い意味でのキザっぽさ、伊達男ぶりは鮮やかで、ジャズヴォーカルにとっていちばん大事なのは、やはりこれなのかもしれない。

 

1.SuperBlue
2.Sassy
3.Manic Panic Epiphanic
4.Where to Find It
5.Can't Make It with Your Brain
6.The Seed
7.Dharma Bums
8.Circus
9.Endless Lawns
10.This Is How We Do

<了>

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