おとのほそみち

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山下達郎サンデーソングブック 2020年07月19日「ストリングスで棚からひとつかみ」書き起こし

オンエアされた曲に関する達郎氏のコメントを書き起こしています(一部要約あり)。インフォメーションやリスナーからのメッセージは割愛しています。リンクを張っている音源は、オンエアされた音源とは異なることが多々あります。

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1. THE WAR SONG (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"
2. [ ARIF MARDIN ] I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN '78
3. [ NICK DE CARO ] CHANCES ARE / BEN SIDRAN "I LEAD A LIFE" '72
4. [ CLAUS OGERMAN ] VIVALDI'S SONG / MARK-ALMOND "OTHER PEOPLES ROOMS" '78
5. [ ENNIO MORRICONE ] ONCE UPON A TIME IN AMERICA / ORIGINAL SOUNDTRACK '84
6. [ JOHNNY MANDEL ] UNFORGETTABLE / NATALIE COLE '91
7. [ 山下達郎 ] プラスティック・ラヴ / 竹内まりや "ヴァラエティ" '84

 

本日は、先日、服部克久先生のですね、追悼の時に申し上げましたけども、ストリングスの特集をしてみようかと思います。
こうしたもう、こう、わさわさした時代ですので、少しでも心の癒しになればという感じで、そういう甘く優しく、たうとうようなストリングスの編曲をお聴き頂こうと思いまして。
『ストリングで棚からひとつかみ』
始めてみたは、いいんですけども、あんまり、そういう♪なぁわーってのばっかりですとですね眠くなってまいりますので(笑)
ですので景気いいやつも入れまして、色々と緩急取り交ぜてお届けしたいと思います。
どんな時代になりましても、音楽が消えることはございませんので。
少しでも皆の心に届くように、一服のですね、くつろぎをですね、お届けしたいと思っております。

で、色々、私も一人の人間としてですね、いろいろなものを考えておりますが、私は音楽家なので、口幅ったいアジテーションとかそういうものよりも、自分の作った作品でですね、意思表示してきましたし、これからも、そのつもりでおります。
今日の頭は、もうすぐリマスター発売になります。
1986年のアルバム POCKET MUSIC からさ「The War Song」
今日はライブバージョンでどうぞ。

THE WAR SONG (LIVE) / 山下達郎 "17/07/09 中野サンプラザ"



 [ ARIF MARDIN ] I'M EVERY WOMAN / CHAKA KHAN '78


はじめは甘く優しくメロウなやつでやろうと思ったんですけど、やってるうちに景気がいいのもいいなと思いまして、そういうのからはじめました。
アリフ・マーディン。私の十代の頃、いちばん好きなグループはがヤング・ラスカルズで、そのオーケストレーションをやっていたのがアリフ・マーディンでして、彼の弦の音で育ったと言っても過言ではございません。
1978年、チャカ・カーンの全米ソウル・チャートNO.1。
アシュフォード&シンプソンの名曲、アリフ・マーディンのオーケストレーションでございます。
ドラムがスティーヴ・フェロン、ギターがフィル・アップチャーチとヘイミッシュ・スチュアート、アベレージ・ホワイト・バンドの人ですね。
ベースがウィル・リー、キーボードがリチャード・ティーという5人のリズム・セクションにストリングスという、シンプルですけど血湧き肉躍る、78年の名曲でございます。

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お次はベン・シドラン。
ジャズ・ピアニスト兼シンガー・ソングライターですけど、枠にはまらないクロスオーバーな人で、日本でたいへん人気があります。
特に1972年のアルバム『I LEAD A LIFE』、セカンドアルバムですが、その1曲め「CHANCES ARE」。
きれいな曲ですけれど、ストリングスはニック・デ・カロ。私の大好きなニック・デ・カロ。
昔はただ漫然と聞いてたんですけど、久しぶりにアルバムを開いてクレジットを見てびっくり。
ドラムがジェームズ・ブラウンのクライド・スタブルフィールドだったんですね。
フィル・アップチャーチがベース弾いて、すごいなと。
コーラスにはギャビン・クリストファーが入ってる。
マーク=アーモンドのジョン・アーモンドも入ってる。知らなかった。いいわけだ。
ベン・シドラン。1972年のアルバム『I LEAD A LIFE』からニック・デ・カロの素敵なストリングス「CHANCES ARE」

 [ NICK DE CARO ] CHANCES ARE / BEN SIDRAN  '72


不思議ぃーなミュージシャンでありまして、スタイルがなかなか特定できない。
スティーブ・ミラーあたりからはじまって、いろんな人とやっておりますけれども。
でもベン・シドランのインタビューというのを見ましたら、モーズ・アリスンに影響を受けたという。あっなるほどなという(笑)、そういう感じであります。モーズ・アリスン最近ハマってるので、今度機会がありましたら。

 

次は、ストリングスのオーケストレーションといえば筆頭に上がる大御所、クラウス・オガーマン。
出ますのがマーク=アーモンド。
先程のベン・シドランと同系ですが、大プロデューサーのトミー・リピューマのやつです。
1978年、ジョン・マークとジョニー・アーモンドの二人でイギリス人なんですけど、アメリカに行ってトミー・リピューマで作品つくって、日本では大変な人気があるんですが、アメリカでは全くヒットしませんでした。
でもヒットしなかったのが信じられないくらいメロウで、素晴らしい作品なんですけれども。そんなもんなんですね。時代がディスコ全盛の時代ですから仕方がありません。
1978年の名盤です、『OTHER PEOPLES ROOMS』からマイケル・フランクスの作品で「VIVALDI'S SONG」

 [ CLAUS OGERMAN ] VIVALDI'S SONG / MARK-ALMOND '78


これはまたニューヨークのリズム・セクションでございますが。
ジョン・トロペイのギターで、リオン・ペンダーヴィスのキーボード、ウィル・リーのベースにスティーヴ・ガッドのドラムという。
ですけど、ひじょうに抑制的な演奏でございますが、素晴らしいトラックでございます。

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ストリングスの名曲は数限りなくありまして、とても一週間では間に合わないので、来週もやることにしました。
私の大好きなボビー・マーティンとかトム・ベルとかジーン・ペイジ、いくらでも出ますので、来週も引き続き「ストリングスで棚からひとつかみ」。
ようやくサンデー・ソングブックが普通のノリになってきたと思ったのに、またいつテレワークになるかもわからないというような状態でございます。なんとかしてくれと。

 

(リスナーから、達郎さんはオーケストラのコンサートは観に行かれたりするのでしょうか? 好きな交響楽団や指揮者はいらっしゃいますか?という質問)
割とコンサートにはまいります。
どちらかというと室内楽の方が好きですけど、好きな交響楽団というとねえ、いろいろいますけど。
指揮者だと、セルジュ・チェリビダッケ、この人は、レコーディングしない人で有名です(笑)
ライブ・レコーディングしかないんですけど(笑)
もう亡くなりましたけど、この人のミュンヘン・フィルのですね、録音なんかは、けっこう鬼気迫るものがありますです(笑)
ロリン・マゼールとか、指揮者だとアシュケナージとか、好きな人たくさんいますけど。
そういうの話始めると長いので、また次の機会に(笑)

 

エンニオ・モリコーネが亡くなりました。
大作曲家でございますが、オリジナル・サウンドトラックの名作がたくさんあります。
好きなのがたくさんありますが、私は1980年代の映画でいちばん好きなのが『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』であります。
そのなかの「デボラのテーマ」は何度もこの番組でおかけしましたが、今日は短めのやつでメインテーマ。
1984年のオリジナル・サウンドトラックから。

 [ ENNIO MORRICONE ] ONCE UPON A TIME IN AMERICA / ORIGINAL SOUNDTRACK '84



(リスナーから、生涯ベストの映画は?という質問)
いろんなところで申し上げていますが、私の生涯のベスト映画は、1937年、昭和12年の山中貞雄という監督が作った『人情紙風船』。
この映画がベスト・オブ・ザ・ベストです。
何十回観たかわかりませんが、フィルムで映画館にかかると必ず今でも行っております。

 

エンニオ・モリコーネの訃報を聞いてストリングスをやろうと思ったんですが、ジョニー・マンデルの逝去の知らせが入ってきました。
享年94歳。エンニオ・モリコーネは享年91歳。どちらも大往生です。
ジョニー・マンデルといえばまず「THE SHADOW OF YOUR SMILE」ですけど、サントラのCDがどこかに入っちゃって出てこなないので、今日はジョニー・マンデルといえば、比較的近いところではナタリー・コールのアルバム『UNFORGETTABLE』。
ナタリー・コールとナット・キング・コールがデュエットした「UNFORGETTABLE」のオーケストレーションがジョニー・マンデルなんですね。
オリジナルのナット・キング・コールのヴァージョンは1951年に発売されて、チャート12位。
このオリジナルはネルソン・リドルの名アレンジです。
ジョニー・マンデルはネルソン・リドルのアレンジを踏襲しつつも、ジョニー・マンデルの雰囲気といいましょうか。
1991年のナタリー・コールのこのアルバムはメガヒット中のメガヒットでグラミーも獲りました。

 [ JOHNNY MANDEL ] UNFORGETTABLE / NATALIE COLE '91


ナタリー・コールも2015年に亡くなってしまいました。
だんだんだんだん、時代が移ってゆくという感じでございます。

 

今日の最後は、恥ずかしながら自分のストリングスアレンジ聴いていただこうかなと思います(笑)
最近は、まったくやりませんけども。
私は全く独学なので、アレンジするのに時間がかかるので。
もう、年なので、最近はやらなくなりましたけども。
若い頃は一生懸命やりました。
一番自分に入ってる曲の一曲。
おなじみの竹内まりや、1984年の「プラスティック・ラブ」

[ 山下達郎 ] プラスティック・ラヴ / 竹内まりや "ヴァラエティ" '84


 

<了>