いきなりだが、名前が良くない。
STR4TA、どう読むのかすぐにピンとこない。
実際には「ストラータ」だそうだ。
2020年にシングル「Aspects」がリリースされて話題になったが、いわば覆面状態で、アーティストの実態はわからないまま。
それが蓋を開けてみれば、超大物2人によるユニットだった。
アシッド・ジャズの生みの親として、世界のクラブシーンに絶大な影響を及ぼしてきたDJ、ジャイルズ・ピーターソン。
アシッド・ジャズ、ジャズ・ファンクの頂点に立つインコグニート(Incognito)のリーダー、ブルーイ。
元々アシッド・ジャズ全盛期の2人は、トーキング・ラウドというレーベルのオーナーと所属アーティストという間柄だった。盟友といってもいい。
改めてタッグを組んで何か目新しいことをやったのかというと、基本は“1980年代のあの頃”のブリット・ファンク(ブリティッシュ・ジャズ・ファンク)。
日本ではシャカタクやレヴェル42でよく知られるように、アメリカのファンクとは少し違って、洒脱で洗練感があるのが特徴。
俗に言うアーバンなサウンドと言いますか。耳馴染みがよく聞きやすい。
そのブリット・ファンクがSTR4TAの基本ではあるのだが、ただ懐かしいだけの響きではなくて、アレンジやエンジニアリングは、2020年らしい音になっている。
そりゃまあそうだ。
ただ懐かしい音が欲しければ、当時のアルバムを引っ張り出して聞けばいいのだから。
インコグニート、シャカタクやレヴェル42あたりが好きな人には、当然おすすめ。
ところで、ブルーイが某インタビューで名前の由来を語っている。
「宇宙っぽいというか、アウタースペースのイメージだね。この言葉には“雲のレイヤー”みたいな意味もある。若いスタッフが“Aを4にしよう”と提案してくれたりして、結果的にこうなったんだ。」
やっぱりよくわからない。
<了>