日本のレジェンドピアニストが描く端正で瑞々しい音世界
あまりにもど直球なタイトルだが、それだけの思い入れとこだわりがあるということだろう。
実際には、菊地雅章の曲やオリジナルも採り上げているのだが、日本のジャズ界のレジェンド、ピアニストで作曲家の渋谷毅が選んだメインテーマは、まさしくカーラ・ブレイだ。
ピアノソロとしては15年ぶりの作品と、かなり長いインターバルだから、自ずとベテランの味を期待してしまいがちだが、ここでの演奏は実に瑞々しい。
カーラ・ブレイの美しいメロディの、その上澄みをすくい取って、端正に並べているようかのような印象。
かといって決して軽くはなく、音数は少ないながらも、その陰影は深く、情感にあふれている。
一音一音の余韻をしっとり味あわせてくれる録音も素晴らしい。
1.Lawns
2.IDA LUPINO
3.Sing Me Softly Of The Blues
4.Utviklingssang
5.Little ABI
6.Soon I Will Be Done With The Troubles Of This World
7.The Lord Is Listenin' To Ya Hallelujah
8.通り過ぎた時間
<了>
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