アフロブラジリアンの魅力が堪能できるカヴァー作品
ブラジルの音楽界の巨匠、作編曲家/サキソフォニストのレチエレス・レイチ。
自身のルーツ、アフロブラジリアンを基軸に結成したビッグバンド、アフロ・ブラジリアン・オーケストラ=フンピレズで、2000年代のブラジルの音楽シーンに大きな影響を及ぼした。
惜しくも2021年に他界したが、彼がそのビッグバンドとともに生前最後に録音した作品が本作。
タイトルにあるモアシール・サントスは、ブラジル音楽界の大巨匠で、ブルーノートからも作品をリリースしている。
そんな彼の1965年の伝説的なアルバム『Coisas』を、レチエレス・レイチがカヴァーしたのが、このアルバムというわけだ。
ブラジル音楽というと、私たち日本人は、サンバやボサノバを連想しがちだが、ブラジルの国土は広く、地域によって音楽性はかなり違う。
レチエレス・レイチが旨とするのはアフロブラジリアンで、本作においても特にビートは相当エネルギッシュで躍動感に富む。
アッパーな5拍子のナンバーなんて、気持ちよすぎて中毒になりそうだ。
『Coisas』の持ち味である、エキゾチックなオーラも今風のアレンジの中で表現しているが、オリジナルを聞いたことがなくても、十分に楽しめる作品である。
1.Coisa no 4 feat. Raul de Souza
2.Coisa no 8 feat. Joander Cruz
3.Coisa no 9 feat. Marcelo Martins
4.Coisa no 1
5.Coisa no 5 – Nanã feat. Caetano Veloso
6.Coisa no 7
7.Coisa no 2
<了>
このほかのジャズアルバム紹介記事はこちら