ザ・サウンド・オブ・リスニング / マーク・ジュリアナ
デヴィッド・ボウイ作品への参加でも知られる俊英ドラマーのカルテット作
デヴィッド・ボウイの『★ブラックスター』への参加で一躍注目され、知名度が高まったマーク・ジュリアナ。
これまでジャズカルテットとエレクトリック・ミュージックをいわば両輪のようにして活動してきたわけだが、と書いてしまえば素っ気ないが、双方で比類ないクリエイティビティを発揮してきたその才能たるや、現代最高のドラマーと呼ぶべき存在だ。
本作は基本的にジャズカルテットでの作品だが、エレクトロニクスの要素も垣間見え、双方が融和というか統合というか、一体的にまとめられている。
メンバーは2015年の『Family First』、2017年の『Jersey』と変わらず、ピアノにシャイ・マエストロ(Shai Maestro)、ベースにクリス・モリッシー(Chris Morrissey)、サックスにジェイソン・リグビー(Jason Rigby)。
とにかく曲も演奏も設計が緻密で、創意工夫だらけなので、聞き所満載。
何度聞いても、新しい発見がある。
個人的に最も引き込まれたのは04.our essential nature。
7拍子のやや揺らぎのあるグルーヴに載せた、テーマも展開もアドリブも、一部のスキもない。
2022年のジャズシーンを語る上で、外せない重要作になるだろう。
01.a path to bliss
02.the most important question
03.a way of looking
04.our essential nature
05.the courage to be free
06.everything changed after you left
07.the sound of listening
08.under the influence
09.practicing silence
10.continuation
11.when the day turns into night [japanese bonus track]
<了>
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