おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



【JAZZ新譜】Les Cadences du Monde / Louis Sclavis (2022)

 

 

クラリネットの巨匠による室内楽ジャズ

ルイ・スクラヴィスは1953年生まれ。

フランスを代表するジャズ・クラリネットの巨匠である。

彼が、チェロ2台とパーカッションという極めて個性的なカルテットで録音したのが本作。

アンナ・ルイス(Anna Luis)とブルーノ・デュクレ(Bruno Ducret)という二人のチェリストはそれぞれ主旋律や対旋律を奏で、ルイ・スクラヴィスのクラリネットとも、艶やかに絡む。

当然クラシックぽくもあり、上品で美しいが、どこかエロティックで、耽美な響きもある。

打楽器奏者のケイヴァン・シェミラーニ(Keyvan Chemirani)はイラン系フランス人で、ペルシャの伝統的な太鼓ザルブ(zarb)のスペシャリスト。

演奏にエネルギーを与えているのはもちろんだが、どこかオリエンタルな響きを加え、作品の越境性をさらに拡張している。

 

Louis Sclavis – clarinet
Anna Luis – cello
Bruno Ducret – cello
Keyvan Chemirani – zarb, percussion

<了>

このほかのジャズアルバム紹介記事はこちら