ディーヴァ・スウィングス・ブロードウェイ / ディーヴァ・ジャズ・オーケストラ
ディーヴァ・ジャズ・オーケストラは、その名前の通り女性メンバーだけのビッグバンドで、メンバーは15名。
オフィシャルサイトの紹介文には ”musicians who just happen to be women” と書いてあって、さすがに “偶然にも女性だった”ということはないだろうけれど、性別云々を抜きにして、素晴らしいバンドであることは確か。
DIVAの創始者は、かつてバディ・リッチのマネージャーでありリリーフドラマーだったスタンリー・ケイ(Stanley Kay)。
彼は、DIVAのリーダーでありドラマーのシェリー・マリクル(Sherrie Maricle)に1990年に出会い、その才能を高く評価。
同じレベルの演奏ができる女性ミュージシャンを探すべく、1992年、全米規模のオーディションによって、このバンドの基礎が築かれたという。
だから活動は30年にも及ぶ、歴史あるバンドなのだ。
今回のアルバムは、ブロードウェイミュージカルの古典的な作品をフューチャーしたもの。
もちろんアレンジは今日的なビッグバンドのそれであって、特にコード展開に才気を存分に感じる。
何重にも折り重なった複雑な音のレイヤーから、ソロが飛び出してくる瞬間の高揚感は、やはりイマドキのビッグバンドならでは。
なお、メンバーには、ベースの植田典子さん、ピアノの大野智子さん、二人の日本人が参加している。
ジョージ&アイラ・ガーシュインの「ザ・マン・アイ・ラヴ」のイントロは、その植田さんのベースソロから始まるのだが、いやもう、小粋でカッコいい。
<了>
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