おとのほそみち

行きかふ歌も又旅人也



こんなときだからこそ爽やかなラテン・ジャズ・フルートを Andrea Brachfeld『Brazilian Whispers』

 

3月下旬、うららかな日々を迎えつつあるというのに、コロナ感染症蔓延のせいで、いささか沈鬱な日々が続いている。

せめて音楽くらいは爽やかなものをと、ラテン・ジャズ・フルートなどを聞いている。

女性ラテン・フルート奏者、アンドレア・ブラッチフェルド(Andrea Brachfeld)の最新作、2020年1月リリースの『Brazilian Whispers』。

もうタイトルからして爽やかではないか。

ボサノヴァのレジェンド、アントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート・アルバムとのことだ。

 

アンドレアはアメリカ・ニューヨーク州ユーティカ出身。

年齢は公表されてないようだが、おそらく60歳代前半だろう。

10歳でフルートをはじめ、1973年マンハッタン・スクール・オブ・ミュージックに入学。
ヒューバート・ロウズ、ジョージ・コールマンらから指導を受ける。

ニューヨークでプロとしての演奏活動を開始し、人気ラテンバンドCharanga'76のメンバーとして注目を集める。

1978年アルバム『Andrea』を自主制作。

結婚、出産後は家族との時間を確保するため音楽活動はほぼ休止状態になる。

やがて再始動し、2000年、ソロとしての実質的なメジャーデビューアルバムとなる『Remembered Dreams』をリリース。

以後、コンスタントに活動を続け、『Brazilian Whispers』が9作目のリーダーアルバムになる。

メインのフィールドがラテン・ジャズなので、情熱的で疾走感のある演奏が持ち味だが、このアルバムでは、おおらかでハートウォームな演奏を聞かせている。

 

Brazilian Whispers

Brazilian Whispers

1. Double Rainbow
2. Passarim
3. Waters of March
4. Amparo
5. Sonhos e Cores
6. Samba Medley
7. Never Let Me Go
8. Ligia
9. Girl From Ipanema
10. Triste e Solitaria
11. Espaco Aberto

 

なお、この原稿に書くにあたって調べるまで、ぜんぜん知らなかったのだが、彼女は2017年にジャズピアニストのビル・オコンネルのクインテットのメンバーとして来日していた。

これはジャズフルートのレジェンド、デイヴ・バレンティンのトリビュート・ライブだったとのこと。

うーん、聴きたかったなー。
チェックしそこねていた自分が悪いのだが。

下記の動画で、少しだけだが、このクインテットでの彼女の素晴らしい演奏が聴ける。



<この項おわり>