ビフォー・アフター/ダリル・ホール
1970年代の後半から80年代前半にかけて、それこそ浴びるように洋楽を聴いていた。
誰をいちばん聴いていたかというと、ダントツでホール&オーツである。
「Sara Smile」
「She's Gone」
「Rich Girl」
「Wait for Me」
「Kiss on My List」
「Private Eyes」
「I Can't Go for That (No Can Do)」
「Maneater」
「One on One」
ヒット曲の雨あられ、どれもが極上のポップミュージック。
ぶっちゃけ、いまでも全部歌える。
デュオ活動が中心ではあったけれど、二人ともソロでも活動していて、このたびダリル・ホールのソロ活動を凝縮したベスト盤が出た。
ナントカ周年とかではなく、なぜ今のタイミングなのかはわからないけれど、ファンにとっては喜ばしい企画。
若い洋楽ファンが、彼を知る入門編もなるだろう。
とはいえ最初のソロアルバム『セイクレッド・ソングズ』は、あまりにホール&オーツの世界からは離れていて、正直「なんだこりゃ」と思った記憶があるが、それに続く『ドリームタイム』『ソウル・アローン』あたりは、なかなかいい曲もあって、よく聴いた。
その『セイクレッド・ソングズ』と『ドリームタイム』『ソウル・アローン』『キャント・ストップ・ドリーミング』からそれぞれ4~6曲ずつ。
そして『ラフィング・ダウン・クライング』から2曲と、ソロアルバム全5作を網羅。
そして嬉しいのが、インターネット番組(のちにテレビでもやった)『ライヴ・フロム・ダリルズ・ハウス』からのセッション音源の収録だ。
ダリル・ホールが自宅などアットホームな場所にゲストを迎えてセッションする番組で、ちょっとゆるい感じがかえって心地よく、You Tubeで再三観たものだ。
このアルバムには、そこから8曲が収められていて、うち3曲がゲスト入りだが、白眉はトッド・ラングレンを迎えての名曲「キャン・ウィー・スティル・ビー・フレンズ」。
いやもう、たまりません。
リリース元のサイトに掲載されていた、ダリル・ホールのコメントを紹介しておく。
「曲はソロ・アルバムから選んだんだ。僕のキャリアの特定の時期を包括しているような気がするからね」
「ロバート・フリップやデイヴ・スチュワートみたいにコラボレート相手がバラエティに富んでいたこともわかる。さらに『ライヴ・フロム・ダリルズ・ハウス』から数曲入れたことによってこのコンピレーションが本当に完全なものになった」
<了>